野宿ツーリングに懲りた俺は、休日になると、スポーツ用品店に行ってはアウトドアコーナーをうろついた。
物色するといっても、ディスカウント系の店で売っているツーリングテントに、種類なんてない。
ただ、買うかどうか、それだけを思い悩んでいた。
そのテントというのが、6000円。
一泊すれば元が取れるのになぜそんなに悩んでいるかといえば、「キャンプする自信がない」という一言に尽きる。
何も分からない。分からな過ぎて、何が不安なのかさえ分からない有様。
強いてあげるなら、どこのキャンプ場に行けばいいのかが分からない。
オートなのか何なのか、設備はどうなのか、そして予約は?料金は?
今になってみれば、雑誌を一冊買えば全部わかることだとなのにと思うのだが・・・
迷っているうちにウインターシーズンに入り、キャンプ用品の値下げが始まり、テントが5000円になった。思い切るなら今しかない。「来シーズンに向けて」ということで、ついにテントを購入。
買ったのはサウスフィールドというメーカーの物。ぶっちゃけ安物。
だが、何もわからず買ったわけだが、これが意外に使えた。
水も漏らかったし、これといってトラブルもなかった。収納もそれなりにコンパクトだし、それなりに軽い。それに、安いから気楽に扱える。
同様の廉価テントは各種あるが、俺のように思い切れない人は、まず安いものを買ってみるのもいいと思う。
最初から高級テントを買っても、結局使わなくなるかもしれないし、扱いもわからず素材を傷めてしまうかもしれない。何より、高いテントのありがたみがわからない。
(こんなの↓・・・といいたいところだが、フライがインナーを完全に覆っているのが望ましい)
LOGOS(ロゴス) クイックツーリングドーム200
今だから言えることだが、キャンプ用品に関しては、はじめは失敗するくらいがちょうどいいと思う。どうせはじめは自分のキャンプのスタイルなんて分からないのだから、いい物を買ったって後から買い替えることになる可能性は高い。それに次に買う時も、失敗したからこそいいものを選べるというものである。
この時買ったのは結局テントと銀マット(薄い畳めるタイプ)だ。
それに加え、以前買ったシュラフと、なぜか家にあったマグライトの小さいの、これがこの時持っていたキャンプ用品の全てだ。
極端な話、“キャンプ場で寝る”にはテントさえあればいい。
テントがあれば雨や夜露をしのげるし、最低限のプライバシーを確保できる。
そこに多少なりとも快適さを求めたとき、物が増えていく。
暖かく寝たいからシュラフを、地面が硬いからマット(断熱の効果もある)を・・・と。
しかし、翌シーズンの初キャンプで、「この3点だけでは“快適”には程遠い」と知ることになるのだった・・・